クラッシックの音楽評論WEB誌”メルキュール・デザール”に、編集長の丘山万里子さんのご自身の突発性難聴の体験を元に、騒音性難聴の問題について警告と提案を評する記事が掲載されました。
クラッシック界においても起きている、演奏時の大音量の問題と演奏家の職業的ともいえる騒音性難聴(音楽性難聴)の仕組みや危険性、そしてその対策について科学的な視点も踏まえての特集記事となされております。
現在の音楽シーンにおいて、ポップスでもクラッシックでも、そのコンサート会場での音量が上がっていることを指摘し、「煽動的興奮と、音楽的感動は全く別物なのである。」と評する内容は現代の音楽が抱えている大きな問題として“的を射た”指摘だと思われます。
まさに今やWHOもこの音楽における音量と騒音性難聴との関係性に警告する勧告を発表する時代にもなっており、また、この記事は管見に入っている所で日本のクラッシック界において初めての難聴問題の提起ではないかと思われます。
なお、丘山万里子さんはこの騒音性難聴の記事以外にも、他のテーマとして昨今の「欅坂46」などのミリタリールックやユニクロの「トレンドのミリタリー風パーカ」などから垣間見えている単一化、制服化への現代の動向などを指摘するなど、音楽批評という範疇を超えて社会が抱えている問題に新たな視線を投げかけています。
【記事本文を読む】
丘山万里子 : 日本の音楽評論家。 東京都生まれ。 桐朋学園大学音楽学部作曲理論科音楽美学選考卒、同大学助手を経て音楽評論の道に入る。 87年音楽財団のスカラシップを得てウィーン留学。 92年ミュンヘン遊学。 「音楽現代」誌第1回新人評論新人賞受賞。 99~2002年、音楽批評誌「ブリーズ」編集・発行人。音楽評論家として「毎日新聞」「音楽の友」などに執筆。日本大学文理学部講師。 2015年よりWeb音楽評論誌『Mercure de Arts(メルキュール・デザール)』の編集長。 著書に「鬩ぎ合うもの越えゆくもの」(深夜叢書)、「翔べ未分の彼方へ」(楽社)、「失楽園の音色」(二玄社)、「波のあわいに―見えないものをめぐる対話」(春秋社)、「アジアの幸福論」(春秋社)、「ブッダはなぜ女嫌いになったのか」(幻冬舎)など多数。 【音楽評論WEB誌メルキュール・デザール】
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