クラシックの音楽評論WEB誌”メルキュール・デザール”に、編集長の丘山万里子さんが執筆されたクラシック界における騒音性難聴の問題についての記事 『カデンツァ|音楽家の騒音性難聴への朗報|』が掲載されました。各種のデータを元にその警告を論じられるとともに、音楽家のために開設された専門治療のミュージシャン外来を紹介されております。
この記事は、2017年に同誌で掲載された記事『耳が壊れる、音楽が壊れる』の続報にあたるもので、クラシック界においても起きている、演奏者の受ける大音量とその聴覚への影響。そして「音楽家たち自身が、自分は騒音性難聴になる可能性がある、という意識を持たねばならない。」と書かれております。さらには楽団や音楽関係の教育者などがこの問題への理解を深める必要性についても筆を拡げておられます。
『カデンツァ|音楽家の騒音性難聴への朗報|』
また、ヴァイオリンを始めとしてオーケストラで使われている代表的な13種類の楽器での演奏者の耳で受けている音量の測定数値を紹介するとともに、その影響で起こっている一過性聴力損失などとも称されるTTS(騒音性一過性域値変化)の実験数値を紹介されております。
そして、仙台にある病院(仙塩利府病院)に、プロ・アマを問わず音楽演奏者に起こる特有の難聴予防や治療の問題についての相談・治療が受けられる 【ミュージシャン外来】 が開設されたことを紹介されております。
なお同記事では、弊社の製品(ミュージシャン・イヤプラグ)を楽団員にトライアル試用として配布された東京都交響楽団(東京都響)さまの活動を紹介されるとともに、その際に東京文化会館でセンサフォニクス・ジャパン(ジェイフォニク株式会社)がおこなわせて頂いた楽団員への「騒音性難聴の予防とその対策」の説明会の様子も掲載して頂いております。
また、同誌では現在の新型コロナウイルス対応において演奏会の自粛や中止がある中でのクラシック界の新たな取り組みなどを紹介されています。
丘山万里子 : 日本の音楽評論家。 東京都生まれ。 桐朋学園大学音楽学部作曲理論科音楽美学選考卒、同大学助手を経て音楽評論の道に入る。 87年音楽財団のスカラシップを得てウィーン留学。 92年ミュンヘン遊学。 「音楽現代」誌第1回新人評論新人賞受賞。 99~2002年、音楽批評誌「ブリーズ」編集・発行人。音楽評論家として「毎日新聞」「音楽の友」などに執筆。日本大学文理学部講師。 2015年よりWeb音楽評論誌『Mercure de Arts(メルキュール・デザール)』の編集長。 著書に「鬩ぎ合うもの越えゆくもの」(深夜叢書)、「翔べ未分の彼方へ」(楽社)、「失楽園の音色」(二玄社)、「波のあわいに―見えないものをめぐる対話」(春秋社)、「アジアの幸福論」(春秋社)、「ブッダはなぜ女嫌いになったのか」(幻冬舎)など多数。