日本人1,200人の耳型データをもとに開発され、耳型をとる必要がないにもかかわらず約85%の日本人の耳に快適にフィットするとして話題の新IEM「j-phonic k2」が、2011年度グッドデザイン賞のオーディオ・ヴィジュアル部門に選ばれ、デザインを手掛けたSensaphonics Japanの大八木哲夫氏が11月9日に行われた表彰式に出席しました。
Sensaphonics Japan開発による新IEM「j-phonic k2」(2010年11月25日発売)が“グッドデザイン賞2011”を受賞!
個々の耳型からつくられるオーダーメイドIEMではないのに日本人の耳の約85%にフィットし、しかも、その音質はプロ仕様の最高グレード。そんな画期的なIEMとして2010年11月25日のリリース以来、話題となっている「j-phonic k2」が2011年10月3日、“グッドデザイン賞”を受賞したと発表されました。これは、コンサートやライブでの利用を主目的としたプロ用イヤーモニターでは初の受賞となります。
“グッドデザイン賞”は日本唯一の総合的デザインプロモーション機関である公益財団法人日本デザイン振興会(東京都港区)運営のもと、有形無形にかかわらず製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスをはじめ、豊かで創造的な社会へとつながるものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰するもの。2011年度は審査対象数3,162件の中から、計649社が受賞しました。
今回の特徴としては、3.11の東日本大震災後初のグッドデザイン賞ということもあり、これまで以上に医療や健康と関連のある審査対象が注目された印象。そんななか、「j-phonic k2」はデザイン性や快適性のクオリティはもちろん、被爆性難聴の予防に貢献できる/耳の小さい女性でも使用でき、利用者に制限がなく高音質な音楽演奏・鑑賞の機会が得られる/高音質な音楽を時間や場所に制限されず持ち運べ“音楽の自由性”を実現している/ステージ上のモニタースピーカーが不要となり、舞台を演出的な要素のみで構成できる/シェアユーズが可能で、通信用としても労働者(打ち上げ花火の花火師、道路作業員、建設従事者、炭鉱構内での鉱夫など)の騒音下での聴覚保護と同時に、明確な情報伝達による安全の確保、効率化の一助となる、といった社会的貢献度も大きなポイントだったといえます。
審査委員からは「インナーウレタンのフィット感も良く、長時間の装着も疲れない工夫がされている。フィットが上手くいっていないと、隙間の問題が派生し、環境音の侵入に繋がるために、音量を上げることにつながる。結果、難聴の原因にもなるということで、多くの耳型サンプルから人間の耳の形状の研究をもとに創りあげたことは、素晴らしい成果だ」と評されました。
この栄えある受賞を受け、11月9日に東京ミッドタウン・ホールにて開催された表彰式には、「j-phonic k2」のデザインを手掛けたSensaphonics Japanの大八木哲夫氏が出席。受賞作品の一覧が並ぶ会場にはテレビ局やj-phonic報道陣も多く詰めかけ、改めて同賞の知名度と注目度を実感させる大勢の人々が集まりました。式典の冒頭に審査委員長の深沢直人氏は、今年のテーマである“適正”について、「震災後のグッドデザインでは、適正なデザインとは何か、ということを考えざるを得なかった」とコメント。大賞をはじめとする特別賞の発表ではやはり、医療・健康・エコ・震災関連の受賞が目を引きました。
「j-phonic k2」は、既成IEMの大半が外国人ユーザーの大きな耳に合わせた輸入品であるのに対し、日本の女性アーティストの耳にもきれいに収まることをコンセプトに日本人1,200人分もの耳型データを徹底的に研究し、実験・検証を重ねて開発。スタイリッシュなフォルムも実は、フィット感につながる機能を兼ねています。これにより音楽関係者から騒音下での作業が不可避な労働者、さらに多くの人々まで個々の目的に応じ、気軽に、快適に、聴覚を守る機会を得ることになるでしょう。そういった可能性への評価もうかがえ、デザイナーの大八木氏をはじめ、「j-phonic k2」の開発に携わった日本の開発・製作チームにとって非常に意義のある受賞となりました。
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