モニタリングに関すると、サウンドガーデンは今やビックネームとして現存する数少ない代表的なウェッジ(フットモニタースピーカー)を用いるバンドの一つです。ヴォーカルのクリス・コーネルはイヤモニを使用している唯一のメンバーですが、最近従来のイヤモニからセンサフォニクスの3D アンビエント・システムに変えました。
Monitor engineer Martin Strayer is familiar with the 3D Active Ambient from his work with R. Kelly, but the driving force behind the change was Cornell himself. “I was actually doing another gig when it happened, but I was pleased when I heard about it. Chris had learned about the 3D from a friend and made the decision after he heard a demo system from Sensaphonics,” he says. “It’s worked out great.”
Fresh off the band’s acclaimed winter U.S. tour, Strayer assessed the positive effects of the 3D Active Ambient on Cornell’s performance. “Chris is always looking for the best sound, and it has really stabilized things for him” he reports. “The 3D gives him the control he wants. It lets him hear his amp outside the mix, like he did back when he used wedges, and just add that to the monitor feed from my board. So in a way, it’s almost like a return to an old-school stage for him, which is kind of interesting.”
As for how the 3D affects his job as monitor mixer, Strayer says, “To be honest, I really haven’t changed my mix at all; there’s no need. The only thing I changed was the vocal mic. We went to a Telefunken M-80, which gives us less bleed when Chris moves away. I give Chris the same monitor mix as ever, and he just adds the amount of ambience he wants from the 3D, which can change from gig to gig. He seems to like everything about those ears – the way they feel, the way they sound. Overall, he’s been really happy with it.”
Strayer feels that the stage sound has come together nicely. “It’s still Soundgarden, so it’s loud, but compared to the way they used to be, the stage is actually noticeably quieter. The only loud parts are Ben Shepherd’s bass rig, which is stage left, and Matt Cameron’s drums, which are right behind Chris at center stage,” he says. “Kim Thayil’s wedges and sidefill are not that loud. He and Chris are both very conscious of keeping their guitars at the same level. Ben, too, but by the end of the show, it gets louder and louder. It’s an energy thing; Ben feeds off that, and so does the band. Hey, it’s Soundgarden.”
Soundgarden has now begun a solid run of U.S. dates, and recently announced a series of September concerts in northern Europe. Martin Strayer is confident that the band has hit its stride. “The winter tour was fantastic, so I’ve been looking forward to going out again,” he says. “This band is an absolute pleasure to work with. I’ve never enjoyed mixing so much. We’re a happy bunch these days.”
モニター技師のマーティン・ストレイヤーはR. ケリーと仕事をした事で3Dアクティブ・アンビエントには親しんでいました。しかし変更を後押ししたのはコーネル自身でした。「それ(クリスが変更した事)が起きたとき、俺は実は他のギグをしていたんだ。でも、それを聞いて嬉しかったよ。クリスは友達から3Dのことを聞いていて、センサフォニクスのデモ・システムを聴いてから決定したよ。」彼は言います。「すごくうまくいった。」
賞賛されたバンドの冬の全米ツアー直後ですが、ストレイヤーはコーネルのパフォーマンスにおける3Dアクティブ・アンビエントのプラス効果を評価しています。「クリスはいつも最高の音を探しているけど、これは彼にとって事を安定させたね。」彼は報告します。「3Dは彼の望むようなコントロールを与えてくれる。3Dは彼にミックスの外側で彼自身のアンプを聴かせてくれる。ウェッジを使っていた頃のようにね。でも俺のボードからのモニター音を加える事ができるんだ。だからある意味、彼にとっては伝統的なステージに戻ったようなものだね。興味深いよ。」
モニター・ミキサーとしての彼の仕事に3Dがどのような影響を及ぼしているのかについて、ストレイヤーはこう言います。「正直に言うと、俺は俺のミックスをあまり変えていない。その必要がないから。唯一変えたのはヴォーカルのミックスだけ。俺たちは、クリスが動いた時に音漏れの少ないテレフンケンM-80(注)に切り替えた。俺はクリスに従来通りのモニター・ミックスを提供するけど、彼はただ3Dから望むような音量のアンビエンスを加える。それはギグごとに変えられる。彼は感じ方や音の聴こえ方、全てにおいてセンサフォニクスのイヤモニを好いているようだよ。一口に言うと、彼はとても満足しているよ。」
(注)テレフンケン:ヴォーカル用マイク
ストレイヤーはステージ・サウンドが良くまとまってきたと感じています。「依然としてサウンドガーデンだから音は大きいよ。でも、以前の彼らと比べると、実感できるほどステージは静かになってきている。唯一大音量なのはステージの左側にあるベン・シェファードのベース装置と、クリスのセンター・ステージの真後ろにあるマット・キャメロンのドラムだね。」彼は言います。「キム・テイルのウェッジとサイドフィル(注)はそんなに音は大きくない。彼とクリスは二人とも彼らのギターの音量を同じにしておく事にとても気を使っている。ベンもそうだけど、ショーの最後の方になると、大きく大きくなっていくんだ。エネルギーの問題だよ、ベンはエネルギーを得ちゃうんだ。バンドも同じ。ほら、だってサウンドガーデンだからさ。」
(注)サイドフィルとは、モニタースピーカーの一種類で、。いわゆる横アテとも呼ばているステージの両サイドに設置するスピーカー。ステージの床に置フットスピーカーでカバーしきれない方向に音を送る。通常ボーカリストの真横方向に設置し、ボーカリストやギタリストが上手・下手に移動して演奏する時のモニターシステムとして使用される。イヤモニの利用により必要性が無くなる。
サウンドガーデンは現在アメリカでパワフルに活動していますが、最近9月には北欧での一連のコンサートの開催も発表しました。マーティン・ストレイヤーはバンドが大きな飛躍を遂げたと確信しています。「冬のツアーは最高だった。だから俺は次のも楽しみにしているよ。」彼は言います。「サウンドガーデンっていうバンドと仕事をするのは心からの喜びだよ。俺は未だかつてこんなにミキシングを楽しんだ事がない。俺たちはこの頃幸せな奴らなのさ。」